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−プロローグ− 癌を患い長く入院生活を余儀なくされた主人を看病して五年が経ちました… 一週間前に主人の葬儀を終えた私は虚脱感のようなものに襲われ見かねた義理の父や母に教師の仕事を暫く休む事を勧められ有給休暇を取る事に決めたのです。 そして…私は今とある山奥の静かな温泉街に一人で来ています… 私の名前は花房美保子と申します。年齢は33歳。子供はおりません。見た目は大人しそうで清楚な顔をしていると良く言われます。ただ…胸がちょっと大きいのでそれが幼い頃からのコンプレックスなんです。 あと、おしりも大きくて肉感的で亡くなった主人には美保子は顔は清純派で肉体はAV女優だなんて酷いからかわれ方をされてました。 男性経験は主人だけなのに… でもそんな貞淑な私がこの温泉でとんでもない淫らな体験をしてしまったんです… そんなつもりはまったくなかったのに…魔が刺してしまったと言う他ありません。そして、それが新たに生まれ変わった私の誕生した瞬間だったのです… −出会いの湯− 私が選んだのは日本海側にあるあまり有名ではない温泉街でした。名前は父栗温泉…その時はその温泉の名前の由来も何も知らずに何気なく選んだのです。 バスツアーで行ったのですが私以外は男性が数名だけで中止になるんではないかと思っていたんですが普通に決行されてホントに静かな私に相応しいバスツアーになり風景を楽しみながらバスガイドさんが横に来てくださったので話を始めたのです。 「え?え?お、お見合いバスツアー?」 「はい、そうですよ?旅行会社さんからお聞きになってないんですか?」 「え、ええ…私…ネットで調べて申し込んでしまったもので…」 「そ、そうなんですか…じゃあ、この温泉ツアーの趣旨とか知らないで申し込まれたんですね…」 「は、はい…格安だったもので…」 「あららら…じゃあ父栗温泉の事もあまりご存知なんですか?」 「はい…まったく…」 「うーん…最近ネットで業者がお客様みたいな方を格安で釣ってるんですね…困ったものですわ…」 「な、何か怪しいツアーなんですか?」 「別に怪しくはないんですけど…このツアーは混浴お見合いツアーって言って父栗温泉では古くからあるツアーなんですよ。」 「こ、混浴!?お見合い!?」 「は、はい…父栗温泉と言う名前は元は知らない男女が乳繰り合う温泉から由来が来ている秘湯なんです…混浴の穴場なんですよ…」 「ええっ!?ど、どうしよう…」 「だからお客様の料金が格安なのはその分男性のお客様の料金が高いんです…その代わりに男性と乳繰り合うと言うツアーなんですよ…」 「まさかそんな…ど、どうしよう…」 「でも楽しいですよ!やっぱり旅と言うのは出会いがあってスリルがある方がいいじゃないですか!」 「でも…私ひとりで…」 「私がおりますから!イヤなら私が4Pしちゃいますから遠慮なく断ってください!その為の私なんで。」 「よ、4P…」 「そうなんですよ!私はこのツアーの溢れた男性の方々と遊ぶのが役割なんです!」 「す、スゴいですね…」 「だって…こんな田舎に来て楽しむ事なんてそれしかないじゃないですか!風景なんて1日で飽きちゃうし…見ず知らずの男性とイチャイチャしながら過ごすのが一番楽しいですよ。」 「」 私は混浴には抵抗がありましたがバスガイドの三島恭子さんが私と同世代で私が帰るまで泊まられると聞いて少し安心しました。恭子さんも離婚されて子供さんもいらっしゃらないので立場は私と同じようなものなのでとても親近感が沸いたのです。 でも…この恭子さん…奔放と言うか…とんでもない人だったんです… −いきなりのお見合い− 私たちはようやく父栗温泉に到着し宿泊する父栗荘と言う旅館に入りました。 でも私の部屋は…まるでいかがわしいラブホテルのような内装とアダルトビデオが入った時から流されているとんでもない部屋だったのです… ああん…なにこれ…イメージとまったく違うじゃないの…酷いわ… しかもトイレは共用で部屋にお風呂はなく温泉でしかお風呂に入れないと言うありえない仕様なんです。 そして極めつけ…浴衣は超ミニで旅館内では用意された白いふんどしの着用が義務づけられていて頭がおかしくなりそうでした。 するとすぐに室内の電話が鳴りバスガイドの三島恭子さんから彼女の部屋にすぐに集まるようにと連絡が入ったのです。 仕方なく三島さんの部屋にこんな格好のまま行く事になってしまったのですが私はハッキリとお見合いを断ろうと決めました。私は主人を亡くしたばかりでとてもそんな気分にはなれません。それに私は教師です。ふしだらな真似はできないんです… −変態男!− 「そうですか…」 「ご主人を亡くされたばかりとは…」 「はい…皆さま方にはご迷惑をおかけしましたがこればかりは…」 「そうだったんですか…わかりました!花房さんに非はありません!代わりにこの三島恭子がお見合いを3人さまとさせていただきます!」 三島さんはとても綺麗な方でお二人の男性はそれで満足され三島さんと楽しく歓談し始めたののですが一人だけしつこい方がいらしたのです。 「花房さん…俺…諦めきれないよ…」 「申し訳ございませんが…今回は…」 「花房美保子さん…俺…あんたを知ってるんだ。本城小学校の先生だよな?」 「え…」 「花房の同級生ですよ。見舞いにもなんどかいったんですよ…」 「あ、そ、そうだったんですか…ありがとうございます…」 「美保子さんを見てその時に惚れちゃいましてね…それがこんなツアーで再会出来たんですよ…運命ですよ…」 「運命?」 「はい、僕は惚れた女性を必ず手に入れます。美保子さん…綺麗だあ…」 「や、やめてください…」 「くくくっ…ああ!これプレゼントです。美保子さんのために作らせたモノです。使って見て下さい。」 「そんな…いただけません!」 「もらってください…もらわないと学校に電話しますよ…おたくの花房先生がエロエロお見合いツアーに参加してるって…くくくっ!」 「や、やめて…」 「あなたが私とお見合いしてくれれば何も言いませんよ。私は仕事もなんとか休んで来てるんです…はいさようならなんて通じませんよ!」 「わ、私にどうしろとおっしゃるんですか…」 「くくくっ…簡単な事ですよ…私とじっくりお見合いをして気に入ったら結婚を前提として付き合ってもらいたいんですよ!」 「け、結婚って…私…まだそんな事考えられません…」 「一週間前ゆっくりと考えてくれればいいんですよ…」 こうして私は仕方なくその男とお見合いをする事になったのです…
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