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◆ 春疾風 ◆ 34春》天文 海峡に灯す破船や春疾風 田代朝子 http://pixio.jp/XtsJ6xFV/9slWib4yTR.jpg ▲一句/3点画像▼前へ/次句画像2点へ 休む煙突働く煙突春疾風 北野民夫 身幅ほどの路地よりコック春疾風 八木林之介 春疾風屍は敢て出でゆくも 石田波郷 春疾風少年何に釘を打つ 馬場移公子 春疾風矮鶏懸命に道走る 原田 喬 ※矮鶏 チャボ 春疾風木々は根を緊め己れ鳴らす 楠本憲吉 がじゆまるに春荒つのる牛角力 荒井正隆 孵化場に死に鴉吊る春疾風 石川文子 投函の文へ憑きゆく春疾風 河野多希女 春はやてシネマ『雨情』のはねし街 角川源義 春はやて濯ぐ足袋より海の砂 神尾久美子 春疾風万の昆虫のかがやく針 赤尾兜子 春疾風すつぽん石となりにけり 水原秋櫻子 春疾風向きかへて引く乳母車 伊藤文子 春疾風石で押へる設計図 角田サチ 春疾風間欠泉の湯気飛ばす 村井信子 春突風少女礼するまも駈けて 野澤節子 春荒に泣くや水子の風ぐるま 千代田葛彦 札所出て里道一里春疾風 吉木フミエ 海に出て春の疾風も没日なか 桜井博道 職恋し春の疾風を纒き佇てば 小林康治 起重機を下りて荒息春疾風 亀井糸游 春疾風固く括りて本棄つる 甲州千草 背に受けて子ら走り出す春疾風 田中青魚 春疾風洗濯物の手を繋ぐ 岡野俊治 スカートを捲(めく)つてゆきし春疾風 橋本正二 盲導犬寄り添ひてゆく春疾風 門伝史会 ◆ 雪片花 ◆ 34春》植物 …鈴蘭水仙・スノーフレークが長すぎるためか例句が少ないので『雪片花』せっぺんか/と勝手に詠む独自季語に句を添えて提案する。 【参考例句】 チロリンと音も見えそな鈴蘭水仙 犬の散歩道 スノーフレークマリア坐像をうち囲み 上村占魚 【自作】 エピローグめきて咲きける雪片花 蝉海 疾風過ぎ雪片花摘むサイドカー 蝉海 彼岸ゆくボート戻りぬ雪片花 蝉海 ◆ 春の雨 ◆ 345春》天文 土恋へる厨の葱や春の雨 西山泊雲 http://pixio.jp/iwxnIetK/MBErDx3aa.jpg ▲一句/3点画像▼前へ/次句画像2点へ 万葉の恋の碑春の雨 吉田喜美子 どこの湯も仕舞家(しもたや)めきて春の雨 石橋秀野 捨て鍬の次第に濡れて春の雨 山口青邨 春雨や薮に吹かるゝ捨手紙 小林一茶 春雨や枕崩るるうたひ本 各務支考 タンカーも鳥も寝姿春の雨 渋谷 道 琴作る桐の香や春の雨 夏目漱石 寺に入れば石の寒さよ春の雨 高村光太郎 忘れものみな男傘春の雨 三輪初子 落ちつみし椿のうへを春の雨 松岡青蘿 ◆ 春雨 @ ◆ 師の家辞す春雨頬を打たば打て 森田 峠 春雨や蓬をのばす草の道 松尾芭蕉 春雨の中や雪おく甲斐の山 芥川龍之介 春雨のかくまで暗くなるものか 高浜虚子 春雨や喰れ残りの鴨が鳴く 小林一茶 春雨や小磯の小貝ぬるゝほど 与謝蕪村 貯炭場の細き真黒き春雨なり 西東三鬼 春雨の遅参の傘をどこへ置く 嶋田麻紀 春雨や大利根上る川蒸汽 川端龍子 春雨の檜にまじる翌檜 飯田龍太 http://pixio.jp/KAMIRhQm/q13twsT6vM.jpg ▲一句/2点画像▼前へ/次句画像1点へ 春雨や二葉に萌ゆる茄子種 松尾芭蕉 春雨やゆるい下駄借す奈良の宿 与謝蕪村 春雨や傘さして見る絵草子屋 正岡子規 春雨や明けがた近き子守唄 室生犀星 春雨やみなまたたける水たまり 木下夕爾 春雨や京菜の尻の濡るるほど 夏目漱石 春雨と思ひ居りしがいつか雪 高濱年尾 春雨や蜂の巣つたふ屋根の漏り 松尾芭蕉 春雨に降りかこまるる男かな 永田耕衣 春雨のあがるや軒になく雀 野澤羽紅女
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