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◆ 鴨帰る 引鴨 残る鴨 春の鴨◆ 34春》動物 一巡は別れの言葉鴨帰る 吉村ひさ志 http://livedoor.blogimg.jp/semiumi/imgs/9/f/9f210a4e.jpg ▲一句画像へ 引鴨の渦のだんだん高くなり 石田勝彦 やはらかきはこべと水と鴨帰る 百合山羽公 引鴨に里人けふも手をかざす 高濱年尾 引鴨のいくたびとなく空にこゑ 石嶌 岳 鴨帰るふはふは熱き白湯吹きて 中 拓夫 鴨帰る朝の工場の屋根光り 米沢吾 亦 紅 鴨帰る空やはたりと雪やんで 中 拓夫 こちら向けわれもひとりぞ残り鴨 清水基吉 さみしさはすつと影曳く残り鴨 柴田白葉女 つらなれる芥の沖の残り鴨 五十嵐播水 みづからの水輪にあそび春の鴨 池田秀水 大方は小さき鴨や残る鴨 岸本尚毅 行く鴨のまことさびしき昼の雨 加藤楸邨 http://livedoor.blogimg.jp/semiumi/imgs/c/8/c8142ee1.jpg ▲一句画像へ 孕湾遠くは飛ばず春の鴨 上村占魚 春の鴨みぎはの泥を曳きて翔つ 松村蒼石 春の鴨人に親しく啼きにけり 宮川杵名男 残りしか残されゐしか春の鴨 岡本 眸 残り鴨ばかりとなりて争はず 鶴丸白路 残り鴨ひとりはむしろ潔し 樋笠 文 残り鴨一羽で翔つてをさまりぬ 加藤楸邨 雨あとの空を掻きゆき残る鴨 橋本榮治 雲ふかく翔けてあはれや春の鴨 水原秋櫻子 飛び立つてきまつて二羽や残り鴨 石井とし夫 鳴きごゑの波よりひくく春の鴨 今井杏太郎 残る鴨羽打ち止まざる水しぶき 沢木欣一 http://livedoor.blogimg.jp/semiumi/imgs/e/0/e0b61ebf.jpg ▲一句画像へ ◆ 鳥帰る ◆ 234春》動物 この国の桜を見ずや鳥帰る 森 澄雄 http://livedoor.blogimg.jp/semiumi/imgs/1/2/121c8be3.jpg 啼き交はし木の鳥竹の鳥帰る 梅沢墨水 大阪や煙の中を鳥帰る 青木月斗 暁といふ短さを鳥帰る 大川つとむ 先頭は空に溶けゐて鳥帰る 猪俣千代子 山荘に馬柵二重なり鳥帰る 皆吉爽雨 水煙の塔の天路を鳥帰る 野見山朱鳥 鳥帰るいづこの空もさびしからむに 安住 敦 鳥帰るいつもの道にゐて仰ぐ 岸田稚魚 鳥帰る無辺の光追ひながら 佐藤鬼房 鳥帰るこんにゃく村の夕空を 飯田龍太 http://livedoor.blogimg.jp/semiumi/imgs/4/e/4ebcdb0c.jpg ▲一句画像へ 鳥帰る龍馬の像をすれすれに 岩井久美恵 鳥帰るゴルフ帰りの男女らに 飯田龍太 鳥帰るところどころに寺の塔 森 澄雄 汽車見えて鳥帰る野の警報機 町田しげき 鳥帰る赤い針山窓際に 佐藤和夫 旨さうな鳥だつたのに鳥帰る 櫂 未知子 鳥帰るテレビに故人映りつつ 岸本尚毅 帰らんとわれはいづくへ鳥帰る 森 澄雄 鳥帰る渡り大工のわがうへを 北 光星 何も残さず何も持たずに鳥帰る 川崎陽子 http://livedoor.blogimg.jp/semiumi/imgs/0/1/017ab500.jpg ▲一句画像へ ◆ 春雨 A ◆ 春雨やよその燕のぬれてくる 正岡子規 http://livedoor.blogimg.jp/semiumi/imgs/4/0/40e0e075.jpg ▲一句画像へ 春雨やともさで窓にものを読む 角田竹冷 春雨や二葉に萌ゆる茄子種 松尾芭蕉 春雨や五位啼きわたる隅田川 加納野梅 春雨や京菜の尻の濡るるほど 夏目漱石(47) 春雨や古き廊下の朽つるまゝ 五十嵐播水 春雨や柳の下を濡れて行く 夏目漱石(27) 春雨や桑の香に酔美濃尾張 榎本其角 春雨や檻に寝ねたる大狸 正岡子規 春雨や眠りがちなる檻の獅子 抱魚 春雨や蛙の腹ハまだぬれず 与謝蕪村 春雨や明けがた近き子守唄 室生犀星 http://livedoor.blogimg.jp/semiumi/imgs/6/0/6097f6a2.jpg ▲一句画像へ 春雨や蜷(にな)這ひ上る庭の石 前田普羅 春雨や鶯の巣のほととぎす 会津八一 ちとやすめ張子の虎も春の雨 夏目漱石(28) 一ッ舟に馬も乗けり春の雨 一茶(51) 乳を吸ふ鼻冷たさよ春の雨 長谷川零餘子 傘さして舟つなぎ居り春の雨 野村泊月 傘さゝぬまだ人通り春の雨 長谷川かな女 http://livedoor.blogimg.jp/semiumi/imgs/2/7/27bdce75.jpg ▲一句画像へ
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