姫様のサクセスストーリー @
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2016/10/15 22:04
山手市…この市は(株)神王グループの巨大新社屋があるのだがそれに乗じて神王グループが殆どの土地を買収し市長から何から何まですべてが神王グループの意のままに動く城塞都市と化していた。
それを提案したのは神王グループの姫と呼ばれる世界のVIPたちすら恐れをなすとてつもない商才を持った女である。彼女の邪魔をする者は容赦なく命を奪われそれに対して罪悪感の欠片もない悪の化身のような女として逆らう者はほとんどいないとさえ言われている。
だが本人はそんな事はまったく知らない。ごく普通の24歳の人妻OLだと思っている。
悪意のない悪こそ真の悪だとはこの女の事である。
広大な敷地の中に天守閣のある城を建てそれが完成したので実の両親にも敷地内に家を建てて孫の世話をしてもらおうと企む彼女は早速両親を呼び出した。
−神王城−
(姫様、お父様とお母様がご到着されました!)
「あ!あなた!パパとママが来てくれたわ!」
「そうか!でもさあ…ホンとにここに住んでもらうの?ちょっと強引すぎないか?」
「なんでよお?私の実のパパとママなんだからいいじゃない。若の顏も毎日見られるしパパの会社だって近いし!あんなマンションに住んでるより遥かに好条件じゃない?可愛い娘の私にもいつでも会えるしい、あなただって嫌じゃないでしょ?」
「そりゃ嫌じゃないよ。ただ一言も事前にお父さんとお母さんに相談しないのは良くないよ。」
「そうかしら?パパもママも喜ぶわよ絶対にい!あなたとの結婚だっていきなりだったでしょ?」
「まあ、そう言えばそうだけど…とにかく迎えに行こう!」
「はあい!」
二人はエレベーターで城の一階にある待合室へと向かった。
「パパ!ママ!」
理恵は両親に抱きついて行った。
「おいおい理恵…三日前に会ったばかりじゃないか…」
「もう…ホンとにこの子ったら…留男さん、いつも理恵に引っ掻き回されてるんじゃないですか?」
「い、いえいえ、いい奥さんしてくれてますよ。僕は理恵と一緒にいれるだけで幸せですから。」
「ね、ママ。留男さんは私にベタ惚れなの。私はそれ以上にベタ惚れ!いいでしょ?」
「はいはい…ところでお義父さまは?ご挨拶に行かないと…」
「もうすぐ来ますよ。若と遊んでくれてたところですから。」
するとすぐに会長で二人の義理の父である酒井豪気が孫を抱いて入ってきた。
「おおおおっ!これはこれはお父さんお母さん!よくぞいらしてくださいました!ご無沙汰しております!」
「こ、こちらこそ会長!お久しぶりです!」
「会長さん、ご無沙汰しております。留男さんと理恵をいつも可愛がっていただいて本当にありがとうございます!」
「何をおっしゃるやら!留男くんと理恵さんを養子にいただいたご恩に比べたら。お二人と留男くんのご両親はワシの人生最大の恩人です。さあ、若や、おじいちゃまとおばあちゃまがきて下さったぞえ!」
若はよちよち歩きでニコニコしながら理恵の父親に抱きついて行った。
「可愛いなあ若!イケメンだし将来ホンとに楽しみだ!」
「ホンとねえ!若ちゃん!おばあちゃんですよ!」
孫をあやす二人を見て留男はとても幸せな気分になった。
「ところで理恵?何の用で呼んだんだね?」
「あ!そうそう!あのね、パパとママにはここに引っ越してもらいたいのよ!」
「ええええっ!?」
「そ、そんな急に言われても…」
「言ったらいつでも急になるじゃない。」
「そ、それはそうだけど…」
「私はね、一人で考えたのよ。パパもママも一人っ子の可愛い私を嫁に出して寂しいはず。孫の若にだって毎日会えないでしょ?これはマズいと考えたわけよ。そこで内緒で敷地内にパパとママの家を建てたの。もちろん留男さんのお父様とお母様の家も建てようと思ったんだけど留男さんのお父様お母様に相談したらやっぱりお兄様に世話になって生涯地元で農業を続けたいっておっしゃるからそれは仕方ないなって思って中止したけどパパとママは別にこっちに住んでも何の不便もないから問題ないでしょ?」
「うむ!それはいい考えじゃっ!」
「ほらね、大殿…あ、大殿って言うのは会長のことね…大殿もこう言ってるし留男さんも急だって言ったけど基本的には私の意思は尊重してくれるの。ときどき怒られて泣いちゃうんだけど怒ってくれるのは愛のムチだと私は思っているの。だからいいわよね?」
「しかしだな…せっかく買ったあのマンションのローンもまだ少し残ってるのに…」
「売ればいいじゃない!てゆうか、売らなくてもそのまま置いておいてもいいし…」
「でもね理恵、会長さんも私たちが同居となると気を遣われるの。留男さんだってそうよ。」
「ワシは大歓迎ですぞ!」
「僕もお二人さえOKしてくださるなら嬉しいですよ!親孝行させて貰えるんですから!」
「ほらね!なんだかんだ言って二人とも理恵の言いなりみたいなものなのよお!ねえ?」
「まあ…そうじゃな…」
「否定は出来ないな…」
「まあ、私の会社への通勤はここからだと近くなるから私は構わないんだが…ママはどうなんだ?」
「そうねえ…お買い物がちょっと遠くなるかしら…」
「お手伝いさんに頼めば買ってきてくれるわよ。なんなら敷地内にスーバー建ててもいいし。」
「何言ってるの理恵!あなたいつからそんな贅沢になったの!」
「えとね…2年前くらいから…大殿にね贅沢な女になれって言われたの…贅沢をしないと金儲けは出来ないって。」
「そうじゃったな!」
「そうなんですか…でも…自分で稼いだお金じゃないんでしょ?」
「自分で稼いでるわよ!毎日2兆円ぐらい小遣いがあるのよ。贅沢しないと使いきれないの。」
「ひええええええっ!ホンとに?留男さん?」
「はい、恥ずかしながら僕より遥かに…天文学的に理恵は稼いでます…商才が何しろハンパじゃなくて…」
「今やワシより稼いどるからの…」
「誰に似たんだ…」
「さあ?」
「わかった?だからね、今の私に出来ない事なんてないの。ねえ?大殿?」
「そうじゃな……ないのお…」
「このお城もね私が勝手に建てたの。留男さんは食費だけでも払わせてくれって安い給料全額食費で消えちゃうから可哀想なのよね…」
「僕はそんなに給料を貰える仕事は出来ていないからね…」
「何を言っとるんじゃ!もっともっと貰えば良い!今や神王はお前の物ではないか!素晴らしい働きぶりじゃ!」
「そうよお!私と比べるからダメなのよ!私は漫画を死ぬほど読んできたおかげで今があるの。死ぬほどよ!死ぬほど努力してきた私だからこそ出来るのよ!」
「はいはい…漫画を否定してきた僕が間違ってました。」
「か、会長、理恵をこんなに増長させてもいいんですかね?」
「増長と言いますか…最初からこんな感じですぞ。貧乏性だったのはケチだっただけで金の使い方は今でも実に合理的ですからな…わっはっはっはっ!」
「そうですか…じゃあママ、引っ越しするか?」
「え、ええ…仕方ないですね…」
「やったああ!パパママありがとうっ!」
留男は理恵の交渉力に感心した。圧倒的パワーで相手に有無を言わさず押し切るその能力がすべての事業を成功させているんだなと改めて思う。
−悪魔の棲む都市−
山手市はかつてはそれほど裕福な市ではなかったが神王本社が来てからは日本でもダントツに裕福な市になりそして新社屋や城が出来て人口も爆発的に膨れ上がり市役所を増築し環状線を買収し正に桁外れの財政状態の大都市になろうとしていた。もちろん理恵の考えた計画のおかげである。
そして市役所の最上階には姫の間と言うのがあり休日の今日は市長と姫の打ち合わせが行われていた。
「姫様、税収はこのように右肩上がりを続けておりましてとんでもない事になっております!これも姫様のお陰でございます!」
「そうか!東京都を抜く勢いじゃな!良く頑張っておるのお、わらわら嬉しいぞえ。」
「いえいえ!三鷹様のご指導があればこそでございまして!私など何もいたしておりません!」
「そちのその誠実そうな見かけもしっかり役に立っておる。わらわに忠誠を尽くすそちじゃからこそわらわも金を出すのじゃからの。」
「ありがたき幸せにございます!各方面から国政への進出の声も高まっておりましていずれその節はお世話にならねばなりませんのでよろしくお願い申し上げます!」
「うむ!その時はわらわと重婚してわらわに首相夫人の気分を味あわせておくれ。よいの?」
「そ、そ、そ、そんな事をしたら殿のお怒りを買ってしまいますううううっ!」
「大丈夫じゃ!わらわはその事もわらわの殿にはお話してある。子を孕んでもかまわぬ。そちのドスケベチンポと遊ぶのがわらわは大好きなのじゃ!」
「そ、そうでございますか!?不肖、九重慎太郎!光栄の極みにございますうっ!」
「ま、暫くはわらわはまた妊娠の準備に取り掛からねばならぬゆえそちとは遊べぬ。代わりにわらわの下僕を秘書としてそちに使わそう!」
「ははあっ!ありがたき幸せにございますっ!」
「七瀬…さん!すまぬがわらわのセックスドールについて説明してやってくれぬかの?」
「はっ!承知いたしました姫様!市長、いいか?心して聞けっ!」
「は、は、は、はいいっ!七瀬さまあっ!」
「貴様には姫様が開発されたセックスドール1号を秘書として使わす事になった。セックスドールと言っても普通の女だがおまえの変態行為にイヤイヤながらも興奮し応えてしまうバカ女に改造してある。」
「そ…そんな…スゴいですな?」
「うむ、元々は姫様のスキャンダルを狙っていた週刊誌の記者だったのだが今は姫様の事はすっかり忘れ仕事は出来るが頭の中はセックスの事しか考えていない。」
「はあああ…愚かな…姫様に逆らうなんてバカな事を…」
「おまえとて同じだ。姫様に逆らう者は死かバカになるしか途はないっ!」
「ひいいいいいっ!わ、私はそんな大それた事は無理でございますっ!命あっての物種!生涯姫様に忠誠をお誓い申し上げておりますっ!」
「よし、まあ近日中にそのセックスドールが面接にくるから逐一報告しろ!おまえの性奴隷として扱っていい。」
「ははあっ!わかりましたっ!七瀬さまっ!」
「よろしいっ!環状線の売り上げは神王電鉄が税金は神王ホールディングスが経費を精算して市に振り込む。市に余った金は神王銀行が預かる。」
「助かります!お金の事はもう三鷹さまにお任せしておりますので安心でございます!」
「そうかそうか!わらわは更にこの県自体をまずわらわのモノにするつもりじゃ!ま、ゆくゆくは日本、いや、世界の全てを完全にわらわのモノにし世界帝国を作るのじゃ!」
市長はあまりに壮大な計画に恐怖した。正に悪の女帝、しかし、逆らう事は絶対に出来ない化け物なのである。
「私もそのご計画の末端に加えさせていただき本当に光栄でございますっ!」
「おほほほほっ!しっかりと働くのじゃぞ!では、わらわにお小遣いを渡すのじゃ!」
「はっ!きょ、今日はおいくらほどでよろしゅうございますでしょうか?」
「そうだな…三鷹ねえさまの指示で1000億は抜けるらしいからそれでかまわん。」
「ええ?たったの1000億なの?」
「姫様、それ以上抜くと右肩上がりの財政がストップいたしますので。」
「そう…じゃあ仕方ないわね…お昼は市長の経費から落とすからそれで我慢するわ…1000億じゃ何も出来ないじゃない…」
「姫様、三鷹ねえさまに増やして貰えばすぐに兆単位のお金に変わりますからご安心くださいませ。」
「それもそうね!じゃあ小切手貰って行きましょ!」
恐ろしい悪魔たちが暫くして市役所から出て行った。
市長はなすすべもなく佇むのみだった。
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だが本人はそんな事はまったく知らない。ごく普通の24歳の人妻OLだと思っている。
悪意のない悪こそ真の悪だとはこの女の事である。
広大な敷地の中に天守閣のある城を建てそれが完成したので実の両親にも敷地内に家を建てて孫の世話をしてもらおうと企む彼女は早速両親を呼び出した。
−神王城−
(姫様、お父様とお母様がご到着されました!)
「あ!あなた!パパとママが来てくれたわ!」
「そうか!でもさあ…ホンとにここに住んでもらうの?ちょっと強引すぎないか?」
「なんでよお?私の実のパパとママなんだからいいじゃない。若の顏も毎日見られるしパパの会社だって近いし!あんなマンションに住んでるより遥かに好条件じゃない?可愛い娘の私にもいつでも会えるしい、あなただって嫌じゃないでしょ?」
「そりゃ嫌じゃないよ。ただ一言も事前にお父さんとお母さんに相談しないのは良くないよ。」
「そうかしら?パパもママも喜ぶわよ絶対にい!あなたとの結婚だっていきなりだったでしょ?」
「まあ、そう言えばそうだけど…とにかく迎えに行こう!」
「はあい!」
二人はエレベーターで城の一階にある待合室へと向かった。
「パパ!ママ!」
理恵は両親に抱きついて行った。
「おいおい理恵…三日前に会ったばかりじゃないか…」
「もう…ホンとにこの子ったら…留男さん、いつも理恵に引っ掻き回されてるんじゃないですか?」
「い、いえいえ、いい奥さんしてくれてますよ。僕は理恵と一緒にいれるだけで幸せですから。」
「ね、ママ。留男さんは私にベタ惚れなの。私はそれ以上にベタ惚れ!いいでしょ?」
「はいはい…ところでお義父さまは?ご挨拶に行かないと…」
「もうすぐ来ますよ。若と遊んでくれてたところですから。」
するとすぐに会長で二人の義理の父である酒井豪気が孫を抱いて入ってきた。
「おおおおっ!これはこれはお父さんお母さん!よくぞいらしてくださいました!ご無沙汰しております!」
「こ、こちらこそ会長!お久しぶりです!」
「会長さん、ご無沙汰しております。留男さんと理恵をいつも可愛がっていただいて本当にありがとうございます!」
「何をおっしゃるやら!留男くんと理恵さんを養子にいただいたご恩に比べたら。お二人と留男くんのご両親はワシの人生最大の恩人です。さあ、若や、おじいちゃまとおばあちゃまがきて下さったぞえ!」
若はよちよち歩きでニコニコしながら理恵の父親に抱きついて行った。
「可愛いなあ若!イケメンだし将来ホンとに楽しみだ!」
「ホンとねえ!若ちゃん!おばあちゃんですよ!」
孫をあやす二人を見て留男はとても幸せな気分になった。
「ところで理恵?何の用で呼んだんだね?」
「あ!そうそう!あのね、パパとママにはここに引っ越してもらいたいのよ!」
「ええええっ!?」
「そ、そんな急に言われても…」
「言ったらいつでも急になるじゃない。」
「そ、それはそうだけど…」
「私はね、一人で考えたのよ。パパもママも一人っ子の可愛い私を嫁に出して寂しいはず。孫の若にだって毎日会えないでしょ?これはマズいと考えたわけよ。そこで内緒で敷地内にパパとママの家を建てたの。もちろん留男さんのお父様とお母様の家も建てようと思ったんだけど留男さんのお父様お母様に相談したらやっぱりお兄様に世話になって生涯地元で農業を続けたいっておっしゃるからそれは仕方ないなって思って中止したけどパパとママは別にこっちに住んでも何の不便もないから問題ないでしょ?」
「うむ!それはいい考えじゃっ!」
「ほらね、大殿…あ、大殿って言うのは会長のことね…大殿もこう言ってるし留男さんも急だって言ったけど基本的には私の意思は尊重してくれるの。ときどき怒られて泣いちゃうんだけど怒ってくれるのは愛のムチだと私は思っているの。だからいいわよね?」
「しかしだな…せっかく買ったあのマンションのローンもまだ少し残ってるのに…」
「売ればいいじゃない!てゆうか、売らなくてもそのまま置いておいてもいいし…」
「でもね理恵、会長さんも私たちが同居となると気を遣われるの。留男さんだってそうよ。」
「ワシは大歓迎ですぞ!」
「僕もお二人さえOKしてくださるなら嬉しいですよ!親孝行させて貰えるんですから!」
「ほらね!なんだかんだ言って二人とも理恵の言いなりみたいなものなのよお!ねえ?」
「まあ…そうじゃな…」
「否定は出来ないな…」
「まあ、私の会社への通勤はここからだと近くなるから私は構わないんだが…ママはどうなんだ?」
「そうねえ…お買い物がちょっと遠くなるかしら…」
「お手伝いさんに頼めば買ってきてくれるわよ。なんなら敷地内にスーバー建ててもいいし。」
「何言ってるの理恵!あなたいつからそんな贅沢になったの!」
「えとね…2年前くらいから…大殿にね贅沢な女になれって言われたの…贅沢をしないと金儲けは出来ないって。」
「そうじゃったな!」
「そうなんですか…でも…自分で稼いだお金じゃないんでしょ?」
「自分で稼いでるわよ!毎日2兆円ぐらい小遣いがあるのよ。贅沢しないと使いきれないの。」
「ひええええええっ!ホンとに?留男さん?」
「はい、恥ずかしながら僕より遥かに…天文学的に理恵は稼いでます…商才が何しろハンパじゃなくて…」
「今やワシより稼いどるからの…」
「誰に似たんだ…」
「さあ?」
「わかった?だからね、今の私に出来ない事なんてないの。ねえ?大殿?」
「そうじゃな……ないのお…」
「このお城もね私が勝手に建てたの。留男さんは食費だけでも払わせてくれって安い給料全額食費で消えちゃうから可哀想なのよね…」
「僕はそんなに給料を貰える仕事は出来ていないからね…」
「何を言っとるんじゃ!もっともっと貰えば良い!今や神王はお前の物ではないか!素晴らしい働きぶりじゃ!」
「そうよお!私と比べるからダメなのよ!私は漫画を死ぬほど読んできたおかげで今があるの。死ぬほどよ!死ぬほど努力してきた私だからこそ出来るのよ!」
「はいはい…漫画を否定してきた僕が間違ってました。」
「か、会長、理恵をこんなに増長させてもいいんですかね?」
「増長と言いますか…最初からこんな感じですぞ。貧乏性だったのはケチだっただけで金の使い方は今でも実に合理的ですからな…わっはっはっはっ!」
「そうですか…じゃあママ、引っ越しするか?」
「え、ええ…仕方ないですね…」
「やったああ!パパママありがとうっ!」
留男は理恵の交渉力に感心した。圧倒的パワーで相手に有無を言わさず押し切るその能力がすべての事業を成功させているんだなと改めて思う。
−悪魔の棲む都市−
山手市はかつてはそれほど裕福な市ではなかったが神王本社が来てからは日本でもダントツに裕福な市になりそして新社屋や城が出来て人口も爆発的に膨れ上がり市役所を増築し環状線を買収し正に桁外れの財政状態の大都市になろうとしていた。もちろん理恵の考えた計画のおかげである。
そして市役所の最上階には姫の間と言うのがあり休日の今日は市長と姫の打ち合わせが行われていた。
「姫様、税収はこのように右肩上がりを続けておりましてとんでもない事になっております!これも姫様のお陰でございます!」
「そうか!東京都を抜く勢いじゃな!良く頑張っておるのお、わらわら嬉しいぞえ。」
「いえいえ!三鷹様のご指導があればこそでございまして!私など何もいたしておりません!」
「そちのその誠実そうな見かけもしっかり役に立っておる。わらわに忠誠を尽くすそちじゃからこそわらわも金を出すのじゃからの。」
「ありがたき幸せにございます!各方面から国政への進出の声も高まっておりましていずれその節はお世話にならねばなりませんのでよろしくお願い申し上げます!」
「うむ!その時はわらわと重婚してわらわに首相夫人の気分を味あわせておくれ。よいの?」
「そ、そ、そ、そんな事をしたら殿のお怒りを買ってしまいますううううっ!」
「大丈夫じゃ!わらわはその事もわらわの殿にはお話してある。子を孕んでもかまわぬ。そちのドスケベチンポと遊ぶのがわらわは大好きなのじゃ!」
「そ、そうでございますか!?不肖、九重慎太郎!光栄の極みにございますうっ!」
「ま、暫くはわらわはまた妊娠の準備に取り掛からねばならぬゆえそちとは遊べぬ。代わりにわらわの下僕を秘書としてそちに使わそう!」
「ははあっ!ありがたき幸せにございますっ!」
「七瀬…さん!すまぬがわらわのセックスドールについて説明してやってくれぬかの?」
「はっ!承知いたしました姫様!市長、いいか?心して聞けっ!」
「は、は、は、はいいっ!七瀬さまあっ!」
「貴様には姫様が開発されたセックスドール1号を秘書として使わす事になった。セックスドールと言っても普通の女だがおまえの変態行為にイヤイヤながらも興奮し応えてしまうバカ女に改造してある。」
「そ…そんな…スゴいですな?」
「うむ、元々は姫様のスキャンダルを狙っていた週刊誌の記者だったのだが今は姫様の事はすっかり忘れ仕事は出来るが頭の中はセックスの事しか考えていない。」
「はあああ…愚かな…姫様に逆らうなんてバカな事を…」
「おまえとて同じだ。姫様に逆らう者は死かバカになるしか途はないっ!」
「ひいいいいいっ!わ、私はそんな大それた事は無理でございますっ!命あっての物種!生涯姫様に忠誠をお誓い申し上げておりますっ!」
「よし、まあ近日中にそのセックスドールが面接にくるから逐一報告しろ!おまえの性奴隷として扱っていい。」
「ははあっ!わかりましたっ!七瀬さまっ!」
「よろしいっ!環状線の売り上げは神王電鉄が税金は神王ホールディングスが経費を精算して市に振り込む。市に余った金は神王銀行が預かる。」
「助かります!お金の事はもう三鷹さまにお任せしておりますので安心でございます!」
「そうかそうか!わらわは更にこの県自体をまずわらわのモノにするつもりじゃ!ま、ゆくゆくは日本、いや、世界の全てを完全にわらわのモノにし世界帝国を作るのじゃ!」
市長はあまりに壮大な計画に恐怖した。正に悪の女帝、しかし、逆らう事は絶対に出来ない化け物なのである。
「私もそのご計画の末端に加えさせていただき本当に光栄でございますっ!」
「おほほほほっ!しっかりと働くのじゃぞ!では、わらわにお小遣いを渡すのじゃ!」
「はっ!きょ、今日はおいくらほどでよろしゅうございますでしょうか?」
「そうだな…三鷹ねえさまの指示で1000億は抜けるらしいからそれでかまわん。」
「ええ?たったの1000億なの?」
「姫様、それ以上抜くと右肩上がりの財政がストップいたしますので。」
「そう…じゃあ仕方ないわね…お昼は市長の経費から落とすからそれで我慢するわ…1000億じゃ何も出来ないじゃない…」
「姫様、三鷹ねえさまに増やして貰えばすぐに兆単位のお金に変わりますからご安心くださいませ。」
「それもそうね!じゃあ小切手貰って行きましょ!」
恐ろしい悪魔たちが暫くして市役所から出て行った。
市長はなすすべもなく佇むのみだった。